三位声优访谈,未翻,参考资料用意。
――演じられたキャラクターについて、どんなキャラクターなのかを教えてください。
宮野真守(以下、宮野) とてもアツい想いを秘めた、ストレートな人物です。過酷な運命を背負っていることから他人に対して嫌悪感というものを抱いてしまっているので、最初はすごく無口だったり、喧嘩腰だったりするんですが、本来はまっすぐで感情をストレートに表現するような男ですね。
遠藤綾(以下、遠藤) 禊は、いいとこのお嬢さんではあるんですけれども、役職としては司令官という立場にいるので、司令官らしく、ちょっと冷たいところが見えるぐらい仕事に真面目という感じです。でも、物語がクライマックスに向かっていくに従って征四郎との関わりによって、女の子の部分が出てきたりもするんです。ただ単に上から命令するだけの面ではなく、ちゃんと女の子なんだな、ということが見えてくるので、そこからは人間味があるな、と感じられるキャラクターでした。
石田彰(以下、石田) 優秀な軍人です!(笑) 物語前半と後半で考えかたがガラッと変わってしまうキャラクターですね。
――その辺は、演じられていてやりづらかったりということはあるんですか?
石田 「あ、そうなるんだ!」ということで納得させているので、むしろ、ここからはまた別人格と考えながら演じました。
――続いて、お決まりの質問なんですけれども、ご自身とキャラクターとの共通点が何かありましたら。
宮野 共通点……。人は皆違う人間だし、違う性格だし、違う人生を生きているので、自分との共通点はあまり意識しないといいますか、"征四郎としていかに感じられるか"を大切にしています。
――ちなみに征四郎のいいところってどんなところですか?
宮野 征四郎は1回理解したり、認めたりすると、ちゃんと人に対して好意的に向かっていける人なんです。自分ひとりがぜんぜん知らない組織に入って、その中でうまくいかなかったり、敵意を持ったりもするんですが、1度認めたらしっかりと相手に対して面と向かって交流を取れるようになるので、まっすぐな子なんだなと思いましたね。
――遠藤さんは、共通点はありますか?
遠藤 私も禊に限らず、とくに共通点を探したりはしないので、あとから「そういうところが似てるね」と言われて、「そうかな」と思うぐらいです。ただ、強いて挙げるとしたら頭が固いところかなって(笑)。
――それは作品のキャラクターといっしょで、人とぶつかったり、交流を深めていくうちに変わっていったりするんでしょうか?
遠藤 自分の考えが「これで合ってるだろう」と思って生きているわけではなくて、そこから外れられないというか。禊みたいに、まっすぐなところがいいところでもあり、固いところでもあると思うんですけれども、ただ最終的に自分の意志がまっすぐあるというのも、ある意味すばらしいことかな、と思ったので、私もそれでいこうかな、と(笑)。
――石田さんは?
石田 共通点があるかないかで言ったら、ないですね。おふたりの仰ったことと同じで、作られたキャラクターではあっても、本当に一色しかないということはないので、何かしら引っかかる、自分の中で理解できるところはあったりするんです。ただ、それは誰にでも当てはまることですよね。実生活でぜんぜん性格が正反対の人でも、食事はするよね、トイレにも行くよね、寝るよね、ぐらいの共通点はあるわけで。八神拓海と自分で言ったら、そんなに被っている部分は厚くはないな、というところですね。
――続いて、作品の印象を伺えれば。
宮野 収録の前に世界観や物語の流れを説明していただいたんですが、その内容についてはネタバレになってしまうので言えないんですけれど、とにかくビックリしました。「あ、そうなるんだ!」と。最初は地球外生命体に攻められていてロボットで立ち向かうというところから、ぜんぜん違う印象に後半はなっていきます。「そんな仕掛けがある作品なので皆さんにはワクワクして待っていただけたらと思います。
遠藤 最初に台本と概要とキャラクターの絵を見たときに、セリフだけを見ると古い話なのか、未来の話なのか、どっちなんだろう? という印象がありました。言葉遣いも古いところがありますし、コスチュームも和な感じがするというか。何と戦うのか、何が味方なのか、どうなっているんだろう? という疑問を台本を読みながら感じていましたね。読み進めていくと、ただ何かと戦っているだけではなく、人間関係というか、アツい話なんだな、と感じました。もっとクールな大人な話なんだと思っていたんですけれど。それに加えて、宮野さんも言っていたように「そういう話も入ってくる!?」というような展開もあるので、1本の中にいろんな要素がある作品だと思います。収録を進めていくあいだにいろんなことがわかり、新たな発見もあったりしたので、第一印象とは違うストーリーだなと思いました。
石田 八神拓海は、パイロットなので、ゲーム的にも前線に出て戦える扱いです。なので、最初は前線で戦うというところを楽しんでいただければいいかな、と思います。それが物語が進むと最前線で戦う人、というだけではなくなっていって、物語の核心に触れていくというのが、こんなにおもしろい存在だったのか、と感じると思います。ですから、そういう意味ではすごくやり甲斐のある楽しい役をやらせてもらいました。きっとこの作品に触れられる方は、八神に対する想いがどんどん変わっていくと思うんですよね。
――ちなみに、作品の見どころはどんなところになるのでしょう?
宮野 アニメパートが途中にたくさん入ってきて、そこで描かれるアラバキというロボットとミームという地球外生命体との戦いは見応えがありますね。ゲーム画面だけではなく、アニメパートが入っていることによって、より想像が膨らみやすいと思います。
遠藤 女の子がいて、カッコいい男の子もいるので、恋愛的なところはどうなるんだろうと思う人もいると思うんですけれども、禊がかたくなな子だし、“過去の想い”などもあるので、なかなか征四郎と打ち解けないんですよね。「なんでこんなに固いんだろう」というところもセリフから感じとってもらえると思います。禊が征四郎を呼ぶときの名前の呼びかたがコロコロ変わるんですが、「曹長」って言ったり、「九断」って言ったり、「征四郎」って言ったり。
宮野 お、仲よくなった(笑)。
遠藤 (笑)。下の名前で呼ぶと仲よくなった感じがしますよね(笑)。そこでグッと距離が縮まった感が伝わると思うので、固いしゃべりかたをしていても、名前の呼びかたで、じつは気持ち的に近くにいるんだな、とか、近くにいたいと思っているようになってきているんだな、という不器用な感じを楽しんでいただければ(笑)。
――ちょっと恋愛っぽいお話が出たので伺いたいのですが、征四郎だけではなく、禊から見た八神というキャラクターはどんなイメージなんでしょう?
遠藤 征四郎といるときに八神の話をしたりもするので、八神のことが好きなのかな、と思っています。いい感じの空気なんですよね。扱いが違うんですよ、八神と征四郎とで。
宮野 僕は最初監督に、征四郎は凡人で、八神は天才だって言われました(笑)。
遠藤 (笑)。だから本当に今日録ったアニメパートもそうなんですけれど、八神の印象が強いですし、本当は「少尉」とかじゃなくて征四郎みたいに下の名前で呼びたいんじゃないかな、と思いました。命令とかで必死な禊ではなく、女の子として必死な禊がいたりしたので、態度には出ないけれども、まわりの人には好意が見えちゃう、みたいな感じですかね。
――逆に八神から見た禊というのは?
石田 魅力的なキャラクターだと思いますよ。同じ組織の中にいて、能力がある者どうしなので、けっこうお互いを認め合える存在だと思うんです。なので、話すきっかけは多いかな、と。そこらへんで皆さんがソワソワしていただけるとうれしいです。
――なるほど。話が脱線してしまいましたが、石田さんから見た作品の見どころは?
石田 今日収録をさせていただいたアニメパートですね。これはたぶん販売するときに何歳以上対象ってなる作品だな、と思うようになりまして(笑)。全年齢対象ではない作品なのかもしれませんが、対象年齢をクリアーしている人なら、話の複雑さというのもわかってもらえるんじゃないでしょうか。これをプレイできる人は、自分が選ばれた人間だと思っていただいていいと思います。
――最後に読者の皆さんにひと言ずつメッセージをいただければ。
宮野 設定が深くてシリアスなお話になっています。展開を自分なりに考えながらゲームを進めていくとすごく楽しめるんじゃないかな、と。伏線もいっぱい張ってありますし、こういうお話なんじゃないかと予想しながらゲームを遊んでいただくと、大どんでん返しが待っていたりするので、ぜひいっぱい考えてゲームを進めてほしいな、と思います。そして、何周プレイしても楽しんでもらえるように、2周目用のボイスとかも収録しているんです。何回も何回もくり返し楽しめる作品になっていると思いますので、ぜひ何度もプレイしていただきたいです。
遠藤 とても深い内容になっていて、何か残るような終わりかたをするので、クリアーしてからも「ん?」と気になるところがまだまだ転がっている感じになると思います。ただ、ちょっとホッとするシーンなども録ったりしたので、必ずしも深くて暗いだけのお話ではないです。キャラクターもいっぱいいますし、誰目線になってもおもしろいんじゃないかな、と思います。何度もプレイしていただければ、より世界観がわかると思います。
――たしかにすごく緻密な設定ですもんね。
遠藤 1度クリアーしてから再度プレイすると、「あ、あのことか」と気づくようなところもあると思いますので、何度もプレイしてほしいですね。
――では、最後に石田さんが締めのひと言を。
石田 いまのおふたりのコメントで十分だと思うんですけれども(笑)。本当にこの作品は、ゲームしながら物語を小説のように楽しんでいくタイプの作品だと思います。ゲームをしながら自分がいま物語の中でどんな役割を担っているのかを実感しながらプレイしていただけると、ゲームだけじゃない楽しみの深さというのを味わっていただけるかと思います。ぜひご期待ください。